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ファーマシーそま通信2025年秋号

2025.10.22

  ファーマシーそま通信 2025秋号
    私たちのオススメ


~身体の中の秋はもう始まっています!~
         川元尚子
今年の夏は暑かった!長かった!それでも季節は廻ります。
人の身体は「小宇宙」といわれます。自然界が秋になれば身体の中も秋になっていきます。
中医学の五行説によると、秋と関連があるものは、
    肺・大腸・鼻・皮毛・乾燥・辛味・憂い
と考えられています

・乾燥によって熱っぽくなり、咳が出たり、呼吸が苦しくなったり、ゼイゼイしたり。
  ・もともと呼吸器の病気がある場合は特に気を付けましょう。
  ・肺を潤す漢方薬や、肺の熱を取り除く漢方薬を服用することで症状を緩和させることが可能です。
大腸 ・空気が乾燥することによって腸内も乾燥し、便がコロコロとしたり便秘になりやすくなります。便が出ないと“肺”がつまって咳がひどくなることもあります。
   ・水分を多めに摂ることも必要です。
   ・必要に応じて腸を潤したり、便を出しやすくする漢方薬を服用してみましょう。
・肺の乾燥によって鼻の中も乾燥し、鼻づまりが起きたり、鼻血が出ることがあります。
  ・肺の熱を取り除いて鼻の通りを良くする漢方薬や、肺を潤す漢方薬を試してみてはいかがでしょう。
皮毛(皮膚の表面)
  ・空気が乾燥してくると、皮膚も乾燥してきます。肌荒れや痒みが出たり、赤くなったりすることがあります。
  ・体液(陰)や血液を増やす漢方薬、痒みを発散させて改善させる漢方薬などを服用することで改善させていきましょう。

辛い味の食べ物(唐辛子、ワサビ、山椒など)は熱になりやすいので、摂り過ぎに気を付けましょう。
☆また秋はなんとなく物悲しい気分になりますが、思い悩んだり悲しみ過ぎると肺に障ることがあるので、楽しい気持ちで過ごしましょう。

〜ノーベル賞 “制御性T細胞(Treg )”!!〜
                                兒玉眞理子
先日、大阪大学の坂口志文特任教授がノーベル生理学・医学賞を受賞されましたね!!
坂口先生が発見されたのが、制御性T細胞(Treg )です。いまや、現代免疫学の重要な基礎となっています。
普段、私たちの身体の中では、免疫細胞が病原体や異物、つまり自分でないものを排除するために頑張っていますが、時にはその免疫細胞が暴走して自分自身の細胞を攻撃する場合があります。このような暴走が起きないよう制御する役割を持つ制御性T細胞が、あらかじめ身体の中に存在しているのです。

免疫の暴走でまず、炎症が発生します。近年、様々な病気が炎症を起点として悪化していくという研究結果が出ており、炎症を抑える制御性T細胞は病気の予防に関連することがわかってきました。

免疫細胞の暴走で起きる疾患としてアレルギーがあります。アレルギー疾患の一つである喘息は、気道の慢性炎症による病気です。喘息患者は血中の制御性T細胞の量や機能が低下していることがわかっています。
また、食物アレルギー患者の場合も、血中の制御性T細胞の量や機能が低下していることがわかっています。

妊娠にも関係しています。着床障害や流産の原因の一つに子宮内膜の炎症が関与していることが考えられているのですが、実際の流産例では、妊娠中において血中の制御性T細胞が減少しているとの報告があります。
制御性T細胞を体内で適切に維持することは、健全な身体を保つのにとても大切です。

<制御性T細胞の維持と栄養素の関係>
マウスモデルを使った研究から、体内の制御性T細胞の維持には、腸管での様々な栄養素や腸内細菌が必要だと分かってきました。特にビタミンAは小腸粘膜組織において制御性T細胞の維持に作用しています。また、腸内細菌が食物繊維から産生する短鎖脂肪酸や葉酸は大腸粘膜の制御性T細胞の維持に作用しています。
腸内で維持されている制御性T細胞は身体の炎症が起きている場所に移動して働くと考えられるので、身体の炎症の管理には腸内の制御性T細胞を維持することが重要です

2019年に学会発表された次のようなマウスの実験があります。
3種類の食事を用意します。
1)CE-2食(バランスの良い食事)
2)AIN-76食(糖質などが多く、少しバランスの悪い食事)
3)クロレラ食(AIN-76食の中に5%のチクゴ株クロレラを混ぜた食事)

この3種類の食事をマウスに4週間食べさせた時の大腸粘膜の制御性T細胞(CD4+ Foxp3+細胞)の割合を解析しました。その結果、栄養バランスの悪いAIN-76食の場合バランスの良いCE-2食と比べて制御性T細胞の割合が低下していましたが、クロレラ食では制御性T細胞の低下が抑制されていました。
チクゴ株クロレラは食物繊維、βカロテン、葉酸、ビタミンDなどの栄養素を含んでいる
ため、これらの栄養素が制御性T細胞の維持に働いていると考えられます。

実際、甘いものを食べるとアトピー性皮膚炎の症状が酷くなったり、精白した穀物白い砂糖などを摂っているとなかなか改善しないことがあります。アレルギーは食事と腸内環境を整えることが大事ということが良く説明できる実験ですね。

チクゴ株クロレラの製品は『バイオリンク』です。同じような植物からの栄養を摂れるものとして大麦若葉の青汁『プログリーン』も同様に働きます。また、腸内で短鎖脂肪酸を作るのは腸内細菌ですから、良い腸内細菌のバランスを作るために『フェカリンプロ』『フェカリンスーパー』などの菌製剤もオススメです。

緑黄色野菜、食物繊維のたっぷり入ったバランスの良い食事がまず基本ですね。
でも、なかなかパーフェクトにはいかないもの。腸内細菌のバランスを良くするため、毎日の食事栄養バランスの補助や、今日はちょっと自信がないという時のお助けにもこれらを利用されてはいかがでしょうか。


〜救心感應丸気が体内時計を整える!!〜
                               兒玉眞理子
概日リズム(英語でサーカディアンリズム)とは、約24時間周期で変動する生理現象で、一般的に体内時計とも呼ばれています。人間の場合、日中は活動しやすいように、夜間は休息するように、睡眠・覚醒、ホルモン分泌、免疫機能などが調整され、概日リズムが形成されています。これは「時計遺伝子」と呼ばれる一連の遺伝子群によって調整されていることが見いだされ、2017年には、そのメカニズムを解明した3人の米国研究者にノーベル医学・生理学賞が贈られています。
この概日リズムは例えば不規則な生活、ストレス、運動不足、加齢によって乱れることが知られており、睡眠障害、循環器疾患、生活習慣病、がん、精神疾患、認知症との関連が考えられています。
このリズムを調節してくれるものがあるとありがたいですね。
『救心感應丸気』について、以前、マウスの細胞で、時計遺伝子を指標に実験したところ、概日リズムを調節する作用が確認されました。この度はショウジョウバエ(遺伝子が70%ヒトと同じ)の活動リズムの形で計測したところ、歩行活動が変化し、『救心感應丸気』概日リズム調整成分が身体のあちこちに届けられていることが示唆されました。
この概日リズム調整作用は、高齢者に多い睡眠相前進症候群(体内時計の進みが早く、夕方に寝てしまい、夜中や早朝に目が覚めてしまう)の疾患の改善につながる可能性があると考えられます。
                         

〜高くなったけど、やっぱり牛黄は持っていたい!~
         兒玉眞理子
牛黄は牛の胆石。取れる量が少ないのでとても高価な薬です。ここ数年、特に新型コロナウイルスの流行から中国において需要が急増し、価格が高騰しました。中国では昔から疫病などで高熱時に用いられてきました。新型コロナウイルスの時も「たとえ感染しても牛黄をのめば死ぬことはない」と言われていました。
これは牛黄に新型コロナの抗ウイルス作用があるわけではありませんが、新型コロナウイルス感染症では免疫細胞が放出する過剰なサイトカイン(戦うためのタンパク質)が肺炎などの炎症を起こすことが問題で、それを抑制する効果が牛黄にはあるのです。インフルエンザ脳症や熱中症による意識障害も過剰なサイトカインが原因です。
なにかにつけて、過剰な炎症を抑える牛黄は、やはり持っておきたいものです。